ELDEN RING

はじめに

2022年2月25日、全世界のゲーマーが待ち望んでいたソフト「ELDEN  RING」が発売された。

ゲームの評価の基準となるメタスコアは驚異の98点(執筆時点)。Steamの同時接続数が75万人を超えるなどの大盛況ぶりだ。

私も発売を待ち望んでいた1人として一週目がとりあえずエンディングを迎えたので感想を書いていきたい。

ちなみに私がプレイしたフロムソフトのソウルライクゲームは、デモンズソウルとSEKIROの2つ。ダクソシリーズとブラッドボーンはいずれはプレイしたいとは思っているものの未クリアです。悪しからず。

 

革新的な新シリーズではなく従来のソウルシリーズの進化系

まず最初にプレイして思った感想は、思っていた以上に従来のソウルシリーズとシステムは変わっていないなぁということ。

いつもの篝火や戦闘システムは基本ほぼそのまま。シリーズファンならすんなりと入れるはず。

新しい要素である戦技と遺灰はとても強力な要素であり、うまく使うことで攻略を楽にすることができる。

 

今作の新要素であり目玉であるオープンワールドという要素は思っていた以上にこのソウルシリーズにハマっている。

マップを探索すると遺跡や墓地、洞窟などのミニダンジョンが点在しており、攻略することでキャラの育成に必要な素材や、新しい戦技や遺灰を手に入れて強化することができる。また寄り道のお陰で手に入る経験値も美味しい。

こうして探索を進めることで自身の強化を行うことができるので、本編の攻略が楽になるという構図が出来ている。

…というよりも探索をせずに本編だけを進めるのはかなり厳しいと感じるくらいには本編が手強い。このキャラクターを育成することで進めていく感じはSEKIROよりRPG色の濃い作品ならではだなぁと感じた。

 

またオープンワールドとしての出来も国内産のゲームであることを疑うくらいにはよく出来ている。マップの広さもかなり広いし、密度もなかなかに濃いものとなっている。10年前は国内のメーカーにオープンワールドのゲームを作るのは辛いだろうなぁと思っていたが、そんな憂いを払拭させる素晴らしい出来になっている。これにはオープンワールドアーマード・コアにも期待せざるを得ない。

 

手強いボスの数々

今作のボスは過去作に比べてもかなり手強いボスが多い。最初期のボスであるマルギットやゴドリック、坩堝の騎士から始まりラダーンや神肌など戦っていて嫌気がさすぐらいのボスまで揃っている。何度も心を折られてはマップの探索を進めて経験値を稼ぎ、武器を強化しては再度ボスに挑むことを繰り返しようやく突破をする。

トライ&エラーの部分はSEKIROよりは弱く、負けが混む時はトライし続けるよりもレベルを上げるなどで育成を進めた方が早く解決する場合が多い。

この辺りは好みが分かれるところだろうが、私個人的にはSEKIROの戦闘の方が好みだったりする。

大技の後でも隙が少なく、技の発生からのディレイも多い、正直言ってブチギレながら戦っていたボスの方が多かったかもしれない。ただそれでも何度も挑戦してしまうのは一種の中毒性なのかもしれない。

クリアまでして楽しかった、好きなボスはマルギットと坩堝の騎士あたりだろうか。この辺りは攻撃パターンも比較的素直であり、戦闘して慣れていくうちに相手の動きを上手くいなしていくことができるようになる。やはり自分の腕前が上がっていくことを実感できる瞬間が1番楽しいなと再確認した。

 

重厚な世界観

ソウルシリーズの醍醐味の一つが、王道ダークファンタジーの世界観だろう。マップの雰囲気やキャラクターの外見などはもちろん、アイテムの説明欄やストーリーなど雰囲気を崩さない一貫した世界観がちゃんと存在するゲームは意外と貴重だったりする。

これはオープンワールドになったことでより一層魅力的なものになっている。建物の作りから細部に至るまで、草木の並びや崖などの地形など様々なものが世界の一部として存在しており世界観の色を塗ってくれている。

個人的にソウルシリーズで好きなのは装備の部分だ。無骨な剣や鎧から、一見奇抜なものまで揃っている。ロングソードのような標準的な装備でも実用的でありカッコイイし、日本人大好きな刀は言わずもがなだ。

刺さる人には刺さる設定がフロムソフトのゲームならではであろう。

 

重厚なサウンド

ゲームにおいてグラフィックなどに並び重要なのはサウンドであろう。今作では前述した世界観を崩さないためにも重厚な力強いBGMが多かった印象がある。

印象に残っているのはゲームのチュートリアルが終わってすぐに出てくるツリーガード戦のBGMだ。とても迫力がありBGMを聴いて「あ、まだ戦ってイイ相手じゃないな」と思わせるくらいには強ボスの雰囲気を醸し出してきた。

BGMというのはゲームの中でも非常に重要な演出の一部であるが、フロムソフトはこれでもかというくらい理解している。

サウンドトラックが発売されるならいち早く予約して購入したい。

 

 

最後に

今作はソウルシリーズをオープンワールドで作るというフロムソフトウェアとしても一つの挑戦的な作品であったと思う。

しかし、期待されていたハードルを超えて一つの新しいシリーズとして作っていくには十分な土台を完成させることに成功したと言えるだろう。

全世界で1200万本以上を売り上げたと聞くし、国内のメーカーが出すソフトとしては異例の数字を叩き出している。これだけ世界に評価されるゲームを作り出したフロムソフトウェアには賞賛しかない。

しかし、誰にでもお勧めできる作品かというと決してそうではなく、ある程度ゲームに慣れている人、エルデンリングの雰囲気に惚れて絶対にクリアするぞという固い意志を持った人以外には軽くお勧めはできないかもしれない。

だが、そのハードルを超えてプレイする体験は、とても魅力的であることも約束したい。

ぜひ、エルデンリングの世界にのめり込んでほしい。